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5-2

「ごめん」　またまーくんに先に謝られた。

「謝るなよ・・・俺が悪いのに・・・」

「あの・・・違うんだ・・・俺・・・かずくんに謝らないと・・・」

「いいってば・・・別に俺　謝られる立場じゃないっていうか、謝ってもらう資格があるわけじゃないし・・・」
「ううん、あの・・・違うんだ・・・ホントごめん・・・」
「・・・・・・」



「まず、あの、夏菜子ちゃんに言っちゃってごめん・・・なんかさ、初体験、当たり前に済ませてるって思われてるのに　ちょっと焦って・・・
少しぐらい　はっきり言わないと　もしかして未経験？とか思われるんじゃないか、って・・・」
「別にいいけど・・・」
「それから・・・こっちがほんとに謝らないといけないことなんだけど・・・
あの・・・高１の時の・・・俺のファーストキス・・・」


他の子とキスしてたこと謝られても・・・今更どうしようもない
それを俺に黙ってたことだって　別に謝られる筋合いじゃない

てゆーか、そんなこと謝られても　なんだか惨めになる気がする


それとも・・・もしかして嘘なのかな。
夏菜子ちゃんに訊かれてつい、見栄張っちゃったけど　ホントはキスもまだ、ってこと？

それなら・・・それなら・・・それが一番嬉しいけど・・・
思わず　期待に満ちた目でまーくんを見ちゃったけど、
続けられた言葉が　あまりに予想外すぎて　絶句してしまう




「俺のファーストキス・・・かずくん、なんだ・・・」