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となりのアイツ AN

第30章 夏休み3 かずくん

3-2

「今、ちょっと話せる?」
「いいけど・・・お前 帰ったそのまんまだろ?ベタベタして 気持ち悪くないの?
待ってるから シャワー行ってくれば?」
「向こうでよく洗ったから 自分ではそんなに感じないけど・・・
どう?潮っぽい感じする?」

ごく普通に聞かれたので 構えずに近づき、肩のあたりや髪の匂いを ふんふんと嗅いでみる。

「ん・・・ちょっとだけ? 、っ!」




あとの言葉は不意に抱きしめられた驚きのあまり声にならなかった。

「・・・・・・かずくん・・・」
「・・・・・・」

「好きだよ・・・」
「・・・・・・」

「かずくんは・・・」
「・・・・・・」

「もう俺のこと・・・好きじゃない・・・?」
「・・・なんで・・・、俺・・・そんな風に見えた・・・?」

「・・・俺の 気のせいならいいけど・・・」
「・・・・・・」



俺のバカ・・・
まーくんはいつも笑ってるけど ホントは すごく繊細だって わかってるくせに・・・
わざとらしく 機嫌悪いとこ見せたりして・・・




でもさ、もこみちは 高校の時も まーくんとすごく仲良くて、
あんなにモテるのに 特定の彼女は作らずに いつも バスケ連中と カラオケ行ったり ゲーセン行ったりして・・・

まーくんには言ってないけど 俺は もしかしてもこみちは まーくんのこと・・・
なんて ずっと密かに心配してきたんだ。


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