となりのアイツ AN
第33章 誤解1 まーくん
「あ、あの。俺も今日あっち帰ろうかな・・・」
「今日って、今から?何言ってんの、まだ熱下がったばっかで。それに帰るときはお米や餃子たくさん持たせたいから車で送って行くって言ったでしょ。お父さんが休みの時じゃないと行けないからね」
「だ、大丈夫だって・・・あの・・・餃子は後から送ってくんない?米は自分で買うから」
「ダメダメ。貰い物の洗剤もたくさんあるから持たせたいし」
「い、いいよそんなの、向こうで買うから・・・」
「とにかく今日はダメ。もう晩御飯の支度もしてるのに。帰るにしてもお父さんの顔見てちゃんと挨拶していきなさい・・・」
「う・・・わかった・・・じゃあ明日にする・・・」
確かに身体もまだだるい。
今電車に乗って帰ったら また熱がぶり返すかもしれないけど・・・
グズグズしているうちに かずくんとの距離がどんどん開いてしまう気がする。
かずくんがどんどん遠くへ行ってしまう気がする。
何度電話しても 「電波が届かない場所か・・・」という案内につながるだけ
多分 電源を切ってるんだろうな・・・ということはメールもLINEも通じないってことで・・・
誤解されてる俺も可哀想だけど、誤解して苦しんでるかずくんはもっと可哀想で その気持ちを想像しただけで泣きたくなる
とにかく明日の朝 横浜へ戻ろう。