となりのアイツ AN
第6章 となりのアイツ6 まーくん
俯いて 小さな声で言うかずくん。
何?…聞こえないよ…
俺はかずくんの顔を見ようと、膝立ちになって
両手をガラスにつき、顔をガラスにくっつけるようにして 下からかずくんの表情を覗き込んだ。
すると、かずくんもかがみ込んで
ガラス越しに俺と手を重ね、俺の唇に唇を寄せる…。
薄く閉じられていく 瞼の先の睫毛が
ふるふると細かく震えるのが見えて…
いつの間にか俺も 自然に目を閉じて
ガラスの向こうにあるかずくんの唇に
自分の唇を重ねていた。