となりのアイツ AN
第6章 となりのアイツ6 まーくん
6-3
どれくらいそうしていたんだろう?
目を開けた時には ガラスの向こうにかずくんの姿はなくて、
一瞬 夢でも見ていたのか?という気がした。
…でも ガラスの向こう側とこちら側に
かすかに残る両手の痕と…唇の痕…。
それから…
それから…。
追いかけてもっと話したい。
一晩中だって話すことがありそうだ。
だけど 結局俺は また荷物の整理を再開した。
いらなくなった教科書を縛ったり、
いろんなものを、向こうに持っていくもの、
ここに置いていくもの、捨てるもの、と
分けたりしながら
少しずつ 自分のぐちゃぐちゃな気持ちも整理するように。