となりのアイツ AN
第6章 となりのアイツ6 まーくん
次の日、俺は自分の部屋の窓から
かずくんが小さなトラックに荷物を積み込んで
引越しする様子を見送る。
最後に 俺の部屋を見上げて、俺に軽く手を振ると
かずくんは行ってしまった。
それはもうあっけないくらいで…。
かずくんは このまま俺と会えなくなっても
平気なのかな?って思うほどで…。
でもね、俺は知っている。
昨日の夜、かずくんが帰ってから…
ガラス窓に 小さな雫がついていたのを。
かずくんは ホントは涙もろいんだけど
それ以上に負けず嫌いだから
めったに人前では涙を流さない。
そんなかずくんが 俺の為に零した綺麗な涙。
これは 俺に最強の勇気をくれる。