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となりのアイツ AN

第15章 一歩2 まーくん

2-4

かずくんは 俺を無視してのろのろとベッドに入り、壁の方を向いて知らん顔する。

「はい、体温計」

手渡してあげても 向こうをむいたまま 無言で受け取って 返事もしてくれない。


「ねーねー、怒ってるの?俺、何か悪いことした?」
「無理やり入ってくるからだろ」

「嘘、その前から変だったじゃん」
「・・・・・・」

そんな会話をしてる間に 最新式の体温計はピピっと鳴る。

・・・36.3℃・・・熱はないみたいだね、よかった・・・

「どっか痛いとこある?」
「・・・ない・・・」

「そっかー、疲れたのかな?それはそうと鼻声じゃない?かずくんも花粉症になったとか?」
「もういいから帰れよ」


「あ、また帰れって言う。
・・・・・・あの時みたいに・・・」


「・・・あの時って・・・?」


「あの時だよ・・・男が好きだから 部屋に二人きりだと襲っちゃうかも、って俺に言った時」

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