となりのアイツ AN
第15章 一歩2 まーくん
「・・・・・・」
「面白い嘘つくよね、かずくん・・・」
「・・・じゃない・・・・」
「え?何?」
「・・・嘘じゃない」
「え?何言ってんの?」
「嘘じゃない、って俺言っただろ」
「・・・いつ?」
「・・・俺が・・・引っ越す前の晩・・・・・・」
「・・・・・・」
あの日だ・・・
ガラス越しの・・・
あの時?
・・・なんて言ったっけ・・・
確か・・・「誰でもいいって言ったのは嘘・・・」
かずくん、そう言ったんだっけ・・・
そして その後の言葉が聞き取れなくて 俺はかがみ込んで・・・
その後のことは 思い出すと 顔から火が出そうなくらい恥ずかしい。
やっぱり かずくんのあれは キスなんかじゃなくて・・・
俺が勝手に勘違いして・・・
火照る頬を 手でぱたぱた煽ってると
かずくんが 真っ赤になった目で俺を見てきた。