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別れ道 ~同窓会の夜~ SA

第1章 1 雅紀

1-2

三次会への参加も強く勧められて、俺はまたここでも「子供が生まれたばかりだから…」という言い訳を使って帰る羽目になった
…ああ、ほんとにこんな嘘つきたくないのに…


「今度の休み、空けといて…電話するから…」

翔ちゃんの囁きが耳に残っている…

…どうしよう、俺…。
翔ちゃんには、本当のこと言いたい気持ちもある…でも、言ってどうなる…とも思うんだ。後になって、どこからか俺の嘘がばれたとしても…別に良いじゃないか。
何と思われたって…この先、一生会わなければ関係ないよ…。

それでもやっぱり、翔ちゃんには軽蔑されたくない、そして出来れば優しい言葉をかけてもらいたい…なんて都合のイイコトを考えている俺がいる。
翔ちゃんとは、とっくに終わってるのに…。

俺から望んで…終わらせた、のに…。

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