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別れ道 ~同窓会の夜~ SA

第1章 1 雅紀

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3年生で同じクラスになって親しくなったのをきっかけに、高校を卒業してからも、俺と翔ちゃんは結構頻繁に会っていた。
頭が良くて一流大学でも優秀な成績を難なく取れる翔ちゃんが、俺なんかと一緒にいて面白いんだろうか?と不思議だったけど、俺たちは 買い物したり、映画を観たり、飲みに行ったり、…ホントに恋人同士が過ごすのと同じようにたくさんの時間を共有してた。
翔ちゃんは卒業と同時に家を出て、マンションで1人暮らしを始めたから、俺はしょっちゅう泊まりにも行ってたっけ。

それは、卒業してから初めての翔ちゃんの誕生日…
てっきり実家に帰るか、大学の友達と過ごすだろうと思ってた翔ちゃんから、
「誕生日には部屋に来て欲しい」と言われたとき、他の誰かと過ごすより俺と過ごすのを楽しいと思ってくれるんだ、とうきうきしながらケーキを持ってマンションを訪ねた。

「翔ちゃん、誕生日おめでとう。でも、ホントにプレゼントよかったの?」
「ありがとう、俺は雅紀の時間を貰うだけでとっても嬉しいよ、それに、ほらケーキ買ってもらったし、本当にこれで十分幸せなんだ。」
「翔ちゃん、そういうことは彼女に言ってあげないと。ホントに好きな子いないの?」
「好きな女の子はいない」

俺の目をまっすぐ見つめて断言するように告げる翔ちゃんにちょっとドギマギするのは何でだろ?

「ふ、ふぅん、・・・勿体無いね、翔ちゃんモテそうだからきっとヨリドリミドリなのに…」
「そう?でも、好きな人がいるからモテても嬉しくないし」
「え?だって今...」
「好きな女の子はいないけど、ずっと前から好きな人がいる」
「翔ちゃん、それどーゆー意味?」

何を言われてるのかわかんなくて 頭の上にクエスチョンマークを浮かべてる俺に
翔ちゃんがにっこり笑って 内緒話をするように俺の耳に口を近づける

「雅紀が好きだよ…」

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