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第10章 拉致

「ほらね…女の子いるでしょう?」

線が細くひょろりとした男はヒロシと名乗った。そこはホテルの部屋…といよりは、応接室のような場所だった。あたし以外にも数人の女の子が既に居てお酒を楽しそうに飲んでいた。

「君は…未成年だから、ウーロン茶で良い?ちょっと待っててね。」

ヒロシは、飲み物を取りに去っていった。

「あなた…最前列に居た子よね?」

あたしに声を掛けて来たのは、細くて髪の長いお人形のような女の子だった。

「あたしサキって言うの宜しくね。あなたも高校生?」

「はい。高1です。」

…手足が長くて小さな顔…綺麗。

これ飲んで待っててね。ヒロシが持ってきたウーロン茶を喉が渇いていたあたしは一気に飲んだ。それを見て、ヒロシもサキも笑った。

「済みません。喉が渇いてたから。もう一杯頂けますか?」

ヒロシはちょっと待っててねとバー・カウンターの様になっているテーブルへ向かった。あたしはここでやっと一息ついて周りをぐるりと見回した。

…綺麗なコ…ばっかりだ。

友人同士で来ているような子も居れば、ひとりで来たような子も居た。

「あと30分ぐらいでメンバーが来ますので、待ってて下さい。」

女の子はあたしを含めて12人。メンバーは扉から出入りしている人を合わせて4-5人だった。女の子達はそれを聞いてわぁとかきゃっとか小さな声をあげた。
「はい♪お代わりどうぞ。」

ヒロシがあたしの目の前のテーブルにコトリとグラスを置いた。

――― グーッ。

絶妙なタイミングであたしのお腹が鳴った。

「あっ…済みません。この後友人と食事行く予定だから。」

ヒロシは笑ったが、お菓子を持って来てくれた。

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