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第2章 転校生

珍しく家族5人で食事をした。あたしは家族が大好きだ。ママは美人で優しいし、ふたりのパパも素敵でカッコいい。

「今日は学校で何をしたんですか?」

パパは必ず学校であった出来事を聞いてくる。

「あたしのクラスに転校生が来たの。」

「あらこんな時期に珍しいわね。」

ママが皆にお給仕をし終えて席に着いた。

「うん。帰国子女だって。」

ママが席につくのを待って皆が食べ始める。

「へぇ。アメリカかどこか?」

あたしは何となく覚えてる。ダディとママはアメリカで長く暮らしていたことがあるらしい。

「ううん。イギリスだって。お父さんの仕事で10歳までイギリスに住んでて、その後は日本とイギリス行ったり来たりだったみたい。」

「あっ。今日、華と抱き合ってたヤツ?どーりで見たことが無いと思ってたんだ。」

夏の爆弾発言。

「それは…心穏やかではありませんね。」

パパがちらりとあたしをみた。

「華ちゃん。ちゃんと説明しなさい。」

ほぼ同時にダディも言った。

「ち…違うのよ。階段から落ちそうになったから助けてくれたんだけど、よろめいて抱き合ってるみたいになっちゃったの。」

あたしは、慌てた。

「華は、どじっ子だもんね。」

夏がみそ汁を食べながら笑った。

…あんたが余計なこと言うからでしょ?

あたしは、夏をジロリと睨んだ。

「華ちゃんは可愛いから、僕はてっきり…。」

ダディはホッとした顔をした。

「華ちゃん。彼氏が出来たら、ちゃんとお家に連れて来なさいね。」

ママが微笑んだ。

「いけません!まだ華ちゃんは、高校1年生ですよ。早すぎます。」

娘だからとパパ達はいつもあたしを心配しすぎる。

「あら…そんなこと無いわ。だけど、お付き合いし始めたらちゃんと家に連れてくること。それが約束よ。」

こんな時のママは他の家に比べると随分理解があるように思う。流石は2人も夫がいるだけある。

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