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第11章 遅れてきた反抗期

シャワーからあがると、ママがあたしの髪を乾かしてくれた。あたしはあの時の事を一生懸命思い出そうとしていた。おしゃべりなあたしが静かなのを心配してママがあたしの顔を覗き込んだ。

「華さん?」

「ママ…。」

あたしは、それっきり何も言い出せなくて、気が付いたら泣いていた。多分ママは知ってるんだ。だからこんなタートルネックのシャツを持ってきたんだ。

「華さん…大丈夫。本当に何も無かったの。」

ママはあたしをギュッと抱きしめた。

「あの子達の中であなたが一番重症だったんだけどね、間一髪でみんな大丈夫だったのよ。」

あたしはママを見上げた。

「なんで?なんで大丈夫だったって判るの?」

「あなたがここに運ばれてきたときにね、静さんが産科のドクターにお願いして…。」

あたしはここまで聞くと吐き気を催した。お腹は空っぽの筈なのに、何度も何度も吐いた。

「じゃ…パパもダディも何があったか知ってるってこと?」

…嫌だ…。

ママは静かに頷いた。お父さんたちにそんなことまで知られるなんて、あたしはとっても恥ずかしかった。

「みんなあなたのことを心配していたのよ?だから一応確認して貰ったの。」

「…なんで…なんでそんなこと勝手にするの?」

ママは大きなため息をついた。

「犯人が大勢だったし、DNAを取ったりする必要があったのよ。着衣の乱れがあったし、あの時点では、何も無かったかどうかなんて判らなかったし。あなたは眠ったままだったし…。」

あたしは顔が真っ赤になった。確かに大丈夫だったからホッとはしているけど、それでも恥ずかしい気持ちでいっぱいになった。

「大丈夫じゃなかったらどうするの?」

あたしには絶対に言わないと思った。3人ならきっとそうした筈だ。ママは大きなため息をついた。

「大丈夫だったんだから、大丈夫じゃ無かった時の話なんて出来ないわ。」

あたしはタートル・ネックを脱ぐと、シャツとブラになり、近くにあったタオルで、首をごしごしと拭いた。

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