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第11章 遅れてきた反抗期

「あれは、緊急の状況だったし、ファースト・キスは意識がある時じゃないと言わない気がするけど?」

と…言ってユウヤはまた笑った。

「お仕事大変なんですか?」

「うーん。好きなことやってるから、大変だけど、楽しい…かな?どうして?」

「ライブの時もそうだったけど、声が疲れているように聞こえたから。バンドも大変なのかなぁと思って。」

時々出るテレビでも、疲れたように見えていた。

「へぇ~そんなことが判るの?」

「はい。電話で友達の声聞くだけで、今日は疲れてるなぁとかなんとなくですけど。プロトの皆さんは、疲れてるのに、リップ・シンクもしないし凄いなぁと思ってたの。」

「良く判るね。華が知ってるタレントさんでリップ・シンクしてる人って判る?」

「はい。音楽番組はプロトが出てる時しか見ないですけど…。」

あたしは次々に歌手の名前を言った。

「残念なことにそれが当たってるかどうかは、俺には言えないけど…凄いね。」

ユウヤは笑った。

…ってことは、だいたい合ってるのかも?

「最近のプロトのCDってユウヤ…さんが、オンリー撮りっぽいのが多いから勝手に忙しいのかなぁって。」

「そんなことも判るの?」

ユウヤはとても驚いた顔をした。そうだと思われる、曲名を挙げた。

「全部…当たってるよ…すげぇ。やっぱ判るヤツにはわかるんだなぁ。」

ユウヤの素を見たような気がした。ユウヤの携帯が鳴った。あ…マネージャーだと笑った。

「お忙しいのに来てくれてありがとうございました。」

あたしはぺこりと頭をさげた。

「あ…それから、レコーディングの最終日、もし良かったらスタジオ来る?マネージャーに言っておくから…。」

ユウヤは、メモにマネージャーの携帯番号と日付を書いてあたしにくれた。

「それまでに華が退院していればの話だけど。お大事に♪」

ユウヤまたサングラスと大きなマスクを付けて病室から出て行った。


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