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第12章 悪い子の勧め

アイツが入院中に家族会議を開いていたのを俺は知っている。目が覚めると…というか、猫の姿になると、俺はいつものようにリビングへと向かった。

“ママ”と“パパ”それに “ダディ”の3人はリビングで話をしていた。

ママは、大きな目を真っ赤に腫らしていた。

「僕は華さんに、パパなんて大っ嫌いって言われました。」

パパは悲しそうな、しょんぼりとした顔をしていた。いつもどっしりと構えて何事にも動じないパパが、動揺しているのが判った。

「それに…。」

ママの顔をちらりと見ながら言った。

「パパなんて本当のお父さんじゃ無い癖にって…。」

…おいおい。それは言っちゃまずいだろ?

穏やかなダディの顔から笑顔が消えた。

「私…華さんのことひっぱたいちゃったの。自分の子供を叩く日が来るなんて…思って無かったわ。」

「僕たちの関係をきちんと一度話した方が良いね。」

ダディが真面目な顔で言った。

「はぁ~トーコさんが言ってた通り、夏さんより強烈でしたね。華さんが別の生き物に見えて来ました。」

…華たれ…お前は謝るべきだ。

「首のキスマークが汚いってゴシゴシ血が出るほど擦って落ち着かないと思ったら、あの強烈な一言。あたしも華さんが判らない。」

ママは、大きな目を見開いてまた泣いた。それをパパが抱きしめて慰めた。

「それに…レイプ・キットで勝手に調べたのも気に入らないって…あたしは、無事でホッとしたって言うのに。」

…そうか…何も無かったのか。

俺は物凄く安堵した。

…安堵?何で俺が安堵するんだ?

「あの状況で何も無かったことが、ラッキーだったって事が、判らない年齢じゃ無いでしょ?僕はチェックして貰ったことを今でも悪いとは思いません。」

ダディは、きっぱりと言い切って、眉を顰め腕を組んで考えて居た。

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