テキストサイズ

+* ゚ ゜゚ *Classmates* ゚ ゜゚ *+

第12章 悪い子の勧め

「夏はほっときなさい。」

パパが溜息をついて言った。

「華は僕たちに何か言いたいことや聞きたいことはある?」

ダディがあたしに静かに聞いた。

「あたしは…あたしは普通の家に生まれたかった。小学校でも中学校も言われてたのは本当よ?華ちゃんのお家はお堅い仕事なのにね?とか、ママがひとりで、パパがふたりなんておかしいとか、何で兄弟なのに苗字が違うの?とか…。」

「何で虐められてることをママに言わなかったの?そしたらママ学校へ…。」

「だからだよ!ママに言えばそうなるからでしょ?好奇の眼で見られてたのにさらに目立ちたく無かったからだよ。」

あたしはイライラしながら言った。

「華さんは…じゃぁ華さんは、僕たちにどうして欲しかったのかな?」

ダディが静かに聞いた。ご飯の途中だけど皆が箸を置き、美味しそうだったアジフライがしんなりとしていた。

「何もしなくて良いけど気が付いて欲しかった。だからあたしは、パパには謝らない。」

あたしはパパとダディを交互に見て言った。

「華…。」

ダディは深い深いため息をついた。

「ねぇ華?もしも君の大切な人や愛する人が貶されたりしたら、怒るよね?それと同じだよ?華なら判るよね?」

あたしは、空がパパの事で意地悪を言った時のこと思い出した。

「僕たちの大切な愛する華の事がガクさんもトーコさんも心配なんだよ。これだけは判ってて欲しいんだ。」

「ダディ…あたしもう良い子は止めたの。今度から言いたいことははっきり言うし、指図を受けたくないの。」

湯気が立っていた筈の目の前の白いご飯がいつの間にか少し硬くなっていた。

「良い子を辞めても華は華だよ?僕は信じてるからね。」

ダディは少し寂しそうに笑った。あたしは黙って席を立った。何故か判らないけれど、3人にとても腹が立った。

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

ストーリーメニュー

TOPTOPへ