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第14章 ファースト・ダンス

――― 体育祭。

あたしの学校恒例のフォーク・ダンス。
ダンス経験者はあたしと空。空はイギリスに居た時に習ったらしい。
あたしも空もホール・ダンスだから、フォーク・ダンスとは違うと言ってるのに、先生はあたし達に簡単に教えて丸投げだった。

「あーあ。お前じゃ無くて、可愛い子との方が良かった。」

空は相変わらず、あたしに文句を言いながら踊った。

「あたしだって…踊るなら真啓との方が良かったよ。」

「なぁお前一番最初に踊った人の事覚えてる?」

延々とオクラホマミキサーが流れていて、皆の前で踊り続けて居た。

「うーん。とっても素敵な男の子だった。名前教えて貰ったのに忘れちゃった。」

「よく覚えているな。」

空はびっくりした顔をしていた。

「うん…あの日あたし溺れちゃったの。」

…そうだ。あの日。初めてみんなを心配させた日だった。

「なんでダンスをして溺れるんだよ…相変わらず意味分かんねぇ。」

空はいつもの調子であたしを馬鹿にした。

「ダンスの後飽きちゃって、男の子達がサッカーをし始めて、そのボールが、プールに落ちてあたしはそのボールを取ろうと思ったら、プールに落っこちちゃったの。」

沈んでいく水の中で、恐怖で体が縮んだようになってしまったことだけは判る。

「それで?」

珍しく空があたしの話を聞いて居た。

「大人が気が付いた時にはだいぶ水を飲んでしまって、気がついたらベッドに寝かされてたの。」

あたしはそれ以来、水が怖くなった。ママもパパ達もあたしに泳ぎを教えようとしたけど駄目だった。

「ああ…なるほどな。」

空は変な相槌をうった。
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