テキストサイズ

+* ゚ ゜゚ *Classmates* ゚ ゜゚ *+

第15章 夏休みとそれぞれの想い

――― 夏休み。

あたしにリツと夏で真啓の別荘へと遊びに行くことになった。

ママ達は春さんが来てから、色々煩く言わなくなった。

「華さんは、心配しなくて良いの。私はどんなことがあってもあなたの味方よ?」

春さんはにっこり笑った。夏休みも外出禁止令が続くところだったのを、春さんが監督をするからという事で、なんとか許可がおりた。

「凄く広いお屋敷だって聞いてたけど…ほんと凄い…ね。」

リツが溜息をついた。春さんの家と同じくらい大きかった。敷地はそれよりももっと広い気がした。母屋は和式、離れは和洋折衷の建物だった。

「ここは、もうひとりの父が生まれた家なんだ。建物は父が生きていた頃そのままなんだ。」

大きな玄関は吹き抜けになっており、大きなシャンデリアがキラキラと光っていた。

「わぁ~お城のシャンデリアみたい~♪」

キッチン、真啓のパパの仕事部屋、リビングには大きな暖炉があり、古いが綺麗に掃除がしてあり、懐かしい印象を受けた。

「焚火の香りがする。」

「うん♪冬はこの暖炉の前で父や母が本を読んでくれたんだよ。」

真啓が離れを案内してくれた。2階にはピアノルームと寝室が何室か並んでいる。

「あたし真啓のピアノの音が聞こえる傍の部屋が良い♪リツは夏の隣ね。」

リツがちらりと夏を見て恥ずかしそうにした。

「僕はどこでもいいや…あー♪やっと本当の夏休み気分が味わえる、あの人達に文句言われなくてせいせいする。」

あたしは笑った。あの人達とは勿論ママ達のことだ。

「文句言われても聞かない癖に。」

夏に言うととっても嫌な顔をするけれど、性格も外見も最近はパパにそっくりになってきた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ