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第17章 真啓の決意

――― 朝。

…甘い潮の香り?

どうやら気が付かないうちに寝ていたらしい。

「うぅん…。」

少し動くと胸の下でため息交じりの声が聞こえた。

…あっ!

腕の中で華が寝ていた。甘い潮の香りは、華の髪の香りだった。

…柔らかくて小さな華。

触れただけで溶けてしまいそうな透き通るような肌、呼吸するたびにわずかに動く胸。長く濃いまつ毛がくるりとカールしていて、柔らそうな唇は少し開き、寝息が漏れていた。ラジオが朝のニュースを伝えていた。

「華ちゃん…。」

僕は静かに華に声を掛けると、うっすらと目を開けた。

「朝だよ…。」

寝ている顔をこのままずっと僕は眺めて居たいと思った。

「トーフ…まだ寝かせてぇ。」

毛布を肩まであげたかと思うと、僕の髪を指で梳き、そのまま僕の首に腕を回したまま、寝てしまった。今度こそしっかりと胸が当たっている。

…まつ毛が触れそう。

華の唇が僕の顔の数センチのところにあった。

…僕は。

衝動は止められなかった。華の顔に掛かった髪を指で梳いて、耳にそっと掛けた。

…駄目だ…ごめん華ちゃん。

胸の鼓動が騒がしく、煩いぐらいだった。
ゆっくりと顔を近づけていく。

…華ちゃん…君がとても…好きだ。

華の額に唇を押し付けた。塩味、そして華の甘い香りに僕は酔いしれた。僕はそのまま華の身体を抱き寄せるように優しく包んだ。

「うぅーーん。」

暫くすると華が伸びをして目を開けた。

「あ…れ…?」

華は状況が把握できないようだった。

「え…っと。」

「おはよう華ちゃん。」

華はぱっと顔をあげた。華は驚いて大きな瞳で長い間僕をじっと見つめた。
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