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第17章 真啓の決意

あたしはとても柔らくて温かい場所で目が覚めた。トーフをもふもふしてる夢。

…あ…れ?

あたしは真啓と抱き合っていた。真啓の胸はとても大きくて温かだった。すぐ傍にある真啓の顔。驚くよりも見惚れてしまっていた。しかも何故か真啓の首に腕を回しているあたし。

…これは夢…なのかな?

あたしは、真啓の顔にそっと触れて引き寄せてみる。少し冷たい頬に、温かな耳。とても夢とは思えないリアルさだった。

「トーフ…じゃ無い…の?」

「華。」

優しく微笑む真啓の顔が近づいて来た。いつの間にか背中に回っていた真啓の太い腕があたしを引き寄せた。

…わっ。実物だ。

真啓の顔が近づいてきて、大きな瞳はあたしの唇を見つめていた。

「ちょ…ちょっと…まっ…。」

――― おいっ!真啓っ!!

突然、無線が大きな音を立てたので、またしてもあたしと真啓は飛び上がった。

「ケンタさんだ。」

真啓は慌てて無線機を取り上げ返事をした。あと30分で迎えが来ることを告げた。あたしは起き上がり、バタバタと周りの片づけを始めた。

――― ドキドキ。

あたしの小さな胸は、長い間飛び跳ね続けてなかなか収まらなかった。

…さっきのは、何だったんだろう?

洞窟の中はひんやりとしていたが、外に出ると、既にむしむしとし始めていた。ボートのエンジンの音が聞こえたかと思うと、ケンタの姿が見えた。

「真啓。遅くなってすまなかったね。夜は大丈夫だったかい?」

ボートから降りてくると、大きな荷物を下した。

「ちょっと待っててね。これを入れ替えて来るから。」

新しく持ってきた備品を見せた。

「みんな心配していたよ。俺は、真啓が一緒だと聞いて、安心したけど。」

ケンタさんは、真っ黒に日に焼けた顔をくしゃくしゃにして笑った。

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