無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

―――　花火大会当日。

「屋台も沢山出るんでしょう？」

「うん。海岸の遊歩道にずらーっと出るよ。歩くのに凄く時間が掛かるけど。」

毎年８月のお盆の時期にある花火大会には県外からも沢山の人が押し寄せると真啓が教えてくれた。

春さん着せて貰って浴衣姿になった。皆で写真を撮り合いっこした。

「華も、リツちゃんもとっても素敵で良く似合ってるよ♪」

真啓は、あたしたちを眺めて笑った。

「うん。女子の浴衣姿は、俺でも可愛いと思う。」

これには夏も同意した。あたしは青い勝虫柄、リツは淡いピンクのアジサイ柄。

「真啓も夏もとっても良く似合ってるよ。」

夏は茶色の縞、真啓は、紺色の刺子縞の浴衣だった。胸元からちらりと見える白い肌が妙に艶めかしくてドキドキした。

「俺と春さんは、デートの邪魔をしないようにビールでも飲みながら、屋敷の縁側からゆっくりと眺めるよ。」

真啓パパは、あたしたちを眺めながら笑った。

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*