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第19章 恋の切なさ

「メンバーはいつ来るって?」

リツが興奮しながら聞いた。

「夕方近くになるって言ってたわよ。」

春さんが笑った。それぞれが好きな部屋に荷物を置いた。

「真啓♪ピアノもあるんだよ。」

あたしはピアノがあるホールへと真啓を連れて行った。ダンス・ホールの隣に設置されたピアノはコンサート用の大きなものだった。

「わぁ♪コンサート用のだ。凄いね。」

真啓は早速何曲か弾いてくれた。

「やっぱり音も大きいし、力強く響くね。」

真啓も気に入ってくれたようで良かった。真啓は夏休みが終わったら、コンクールなどで忙しくなるって言ってた。

「ねぇ…コンクールって国内だけじゃ無くて海外もあるんでしょう?」

あたしは何だか少し寂しい気持ちになった。

「うん…学校を何日か休まなくっちゃいけないんだ。」

「忙しい時に誘って本当にゴメンね。」

あたしの“切なさ”は、益々膨らんでいた。

「ううん。大丈夫♪ピアノがあれば僕はどこだって平気だよ。華と一緒に居られるし。」

真啓は、ピアノのボディに触れながら周りをぐるりと一周した。あたしは、あの花火大会の日以来、真啓は塞ぎがちになっていた。真啓が泣いた理由は、怖くて聞けなかった。


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