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「えええええーっ！それってヤバく無い？」

リツが大きな声をあげた。

「うん…勘違いされちゃったかも。」

…恩田さんと会う時間があるなら、メールしてくれても良いのにな。

真啓と付き合うようになってからあたしは、ひねくれ者になった気がする。

…ううん。違う真啓は何も変わらない。変わったのはあたしだ。

家庭科の授業でポテトサラダを作りながら、リツと話をしていた。

「あたしが行けなかったばっかりに…本当に行けなくてごめんね。それでちゃんと真啓くんには伝えたの？」

鍋の中でぐつぐつ煮えているジャガイモをあたしは見つめていた。

「ううん…何も…だって言い訳になっちゃいそうじゃん？」

「あんたっ！ちゃんと言わない方が、やっぱりそうなんだって思われるんじゃない？」

多分まだ煮えていないであろう大きなジャガイモに竹串をリツは荒々しく挿した。

「でも…。」

「もう～真啓くんも華も一体何をやってるのよ？」

…何をやってるって言われても。

「最近は恩田さんがべったりくっついてるし、ラインで話すことも無いし…。既読無視もあるし。」

でも真啓が忙しい事は良く判るから、出来るだけ煩わせないようにと思う気持ちもあった。

「ちょっとしっかりしなさいよ！華らしくないよ。」

リツはあたしのことを小突いた。

「うん。」

「真啓くんのこと好きなんでしょう？」

リツは声を潜めて聞いた。

「うーん…自分でも良く判らないの。好きだけど…ちょっと考えるのが疲れちゃった。」

このままじゃ自分で自分のことが嫌になるような気がした。

「このまま自然消滅しちゃうかもよ？それでも良いの？」

リツは脱力したように丸椅子にドスンと腰かけた。

「でも…。」

「はいはい！岩田さんに今泉さんっ！恋の話も良いけれど、ちゃんと手を動かしてっ！」

先生がいつの間にか腕組みをして傍に立っていてあたし達は慌てた。

「はい。」「はい…すいません。」

先生が去るのを見守ってからリツが小声で言った。

「良い？ちゃんと真啓くんと話をしなさいね？判った？」

「うん…。」

あたしは気の無い返事をした。
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