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第21章 疎外感

「ホント?!とっても残念がってたからそれを聞いたらリツ喜ぶと思う。」

「じゃぁ、クリスマスライブの打ち上げとか?」

「ホント!!」

「うん。心配なら春さん誘って?うちのメンバーみんな春さんファンだから。」

あたしは早速リツと春さんにそのことをメールするとすぐに二人から返信が帰って来た。

「春さんのところに打ち上げパーティーのケータリングを正式にお願いしてみようと思ってるんだ。番号は知ってるから。」

「春さんそんなこと言われたら、物凄く張り切っちゃうと思います。」

「そっか…俺も楽しみだ♪」

食事を済ませ、ゲーセンへ寄ってふたりでプリクラを取った。そしてカラオケへ行き1時間程ふたりで過ごした。それは夢の様な時間だった。

「あー久しぶりに気分転換が出来た♪華ありがと。」

あたしとユウヤは、駅前の大通りを肩を並べて歩いた。すると丁度向こうから、真啓と美咲、そして美咲の父親と思われる男性が楽しそうに話しながらやって来た。

…あっ…どうしよう。

あたしは出来ることなら、気が付かない振りをして通り過ぎたかったけど、先に美咲に声を掛けられた。

「あらっ!今泉さんじゃ無い。」

…わわわっ。真啓がガン見してるよ。

真啓の顔から一瞬笑顔が消えた。

「ふたりの知り合いかい?」

男性は美咲の父親だと言い、食事の帰りだと話した。

「彼氏さん?良いわね。おふたりでデート?」

あたしが何か言おうとするとユウヤがすかさず言った。

「残念だけど違います。」

あたしは真啓の顔が見れない。

「本当は友達もくる筈だったんだけど、ドタキャンでふたりになっちゃたんです。」

ユウヤは自己紹介をしながら笑って言った。

「そ…う。私はてっきり…。」

美咲は言葉を濁した。

「じゃぁこれで失礼します。真啓くんまたね。」

ユウヤはあっさりと会話を切り上げて歩き始めた。

「真啓、恩田さんまたね。」

あたしは慌ててユウヤの後を追った。

「ね?堂々としてれば、バレないでしょう?」

ユウヤは笑って言ったけれど、あたしはそれどころでは無かった。美咲と真啓のことも気になるけれど、それよりも勘違いをされてしまったことが怖かった。

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