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第24章 泣いてはいけない

「僕は嫌だ。そんなの絶対に嫌だよ。」

あたしの中に悲しみと怒りそして苦しみが渦巻いていた。

「真啓…友達に戻ろう?もう二人きりであったりするのも止めよう?」

…それがお互いの為だ。

理解している筈なのに、悲しみに飲み込まれてしまいそうだった。

「華…。」

真啓の声が震えていた。

「あたし…知らなかったの。本当に迷惑かけて、心配ばかりかけてごめんね。どうぞお幸せにね。」

…振り向いたらいけない。これで良かったんだ。

あたしは何度も何度も心の中で繰り返しながら、教室へと戻った。


リツが心配そうにあたしを見ていた。

「どうだった?」

「真啓に…友達に戻ろうって言ったの。」

「えっ!!ふたりで話し合う筈じゃ無かったの?」

リツの声が大きくなった。

「ううん…真啓には決まった人がいるんだよ。」

「ちょっとそれどーゆーこと?」

あたしは我慢出来なくて泣いてしまった。

「華…。」

リツはそれ以上は何も言わずにあたしの頭を優しく撫でてくれた。


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