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第27章 健全なお付き合い

緊張であたしの体は強張った。唇をそっと離したユウヤは、優しく微笑んであたしの身体をゆっくりと抱き起した。

「ごめんね。怖かった?」

あたしは静かに首を横に振った。怖いと言うよりもドキドキで心臓が爆発しそうだった。

「俺は華が良いと思えるようになるまで待つよ。」

ユウヤはあたしを抱きしめて、髪の香りを嗅いだ。

「ユウヤのすっぴんが見てみたいな。」

あたしはユウヤの顔にそっと触れた。化粧をしていても柔らかでキメが細やかな肌をしていることが判ったし、まるで女性のように綺麗だった。

「それって、ここに泊まりたいってこと?」

ユウヤはあたしを抱えて膝の上に乗せるとちょっと意地悪く笑った。

「えっ…あの…。」

あたしは、なんと答えて良いのか、慌てふためいた。心臓が再びドキドキし始めた。

…ユウヤは、あたしが恥ずかしがるのを楽しんでいるみたい。

「冗談だよ…でも…いつかそうなると良いな。」

俯いたあたしの顔を指でくいっとあげると再び優しいキスをした。そして大きなため息をひとつつくと、ユウヤは微笑んだ。

「遅くなるとお家の人が心配するよ。家まで送って行くよ。」

ソファにあたしをそっと下し、チョコをもうひとつ摘まんで口に入れるとゆっくりと立ち上がった。



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