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第28章 ライバル宣言

「また9月に会おうね。メールするよ。お土産はゲストナーの砂糖漬けで良いかな?」

ウィーンには素敵なお菓子が沢山あると聞いた。

「うん。あとチョコレートも♪受験とピアノの勉強両方で大変だろうけれど、真啓ならきっと出来る。」

ゲートの近くまで来てしまった。

「ねぇ華?一緒に写真を撮ってくれる?」

真啓はスマホを出した。

「うん。」

真啓はそっとあたしの肩を引き寄せ大きな長い手を伸ばして写真を撮った。

――― カシャッ。

画面を見ると真啓が済まなそうに笑った。

「あっ…ちょっとぶれちゃったからもう一枚。」

―――チュッ。

シャッターを押す瞬間真啓があたしの頬にキスをした。

「あっ。」

「ごめん華。でもこれで寂しく無い。じゃあね。」

あたしに文句を言う暇を与えず、ゲートへと歩き出した。

「真啓…頑張ってね。」

真啓は振り向かずに大きな手をそっとあたしにあげて答えた。



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