テキストサイズ

+* ゚ ゜゚ *Classmates* ゚ ゜゚ *+

第30章 共演NG

「華っ!!」

ユウヤはとても驚いた様子だったけれど、あたしを連れ出すと力いっぱい抱きしめた。

「ごめん…聞くつもりじゃ無かったんだけど、あたしが見つかったら迷惑だと思って咄嗟に隠れたんだ。」

ユウヤの胸は、あの人のきつい香水の香りがした。

「着信音が聞こえた時に、もしかしたらと思ってたんだけど…別に隠れて無くても良かったのに。」

――― ガチャガチャ。

玄関のドアが開く音が聞こえた。

「ちょっと待ってて…。」

ユウヤが玄関へ行くと、マネージャーの黒田だった。

「お前どういうことだよ?」

「あの女は?」

「今マネージャーが迎えに来て連れて帰ったところだけど、ミーナがお前に酷いことされたって泣いてたぞ?しかもブラウスのボタンは外れてるし…。お前一体彼女に何をやったんだよ?」

「なんもしてねーし。あんなサイボーグ俺のタイプじゃねーし。黒田さんも良く知ってるだろ?」

「知ってるけど、相手がああ騒いでいるんだから、何かしてないわけないだろ?」

「うっせーな。してねーって言ったらしてねーんだよっ!」

ユウヤはイライラとした声で黒田に怒鳴った。あたしは寝室から静かに出るのを黒田は見ていたが、何も言わなかった。

「なんてことしてくれたんだ。あーあ。これから大変なことになるぞ。」

黒田はダイニングへ行き椅子にドスンと座った。

「あの…ユウヤが言ってることは本当です。ユウヤは彼女に何もしてません。」

あたしは先ほどまで録画していた動画の一部始終を黒田に見せた。

「はぁ~~っ。」

黒田は、力が抜けたようにテーブルに突っ伏した。

「録画してたのか?」

ユウヤは驚いてあたしを見た。

「ゴメンね…もしかしたら…ユウヤがって…ミーナがあんな人だと思わなかった。だから証拠として…。疑ってごめんなさい。」

ユウヤが声を出して笑った。

「やっぱり凄いよ…俺の華だ♪」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ