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第33章 助っ人

「そちらはどう?忙しい?」

(うん。相変わらずだよ…でも短期なんてあっという間だった。8月末には帰るから、お土産持っていくよ。これで来年の夏まではずっと日本に居られるよ。)

そうか新学期から卒業までの間は、受験があったりで忙しいものね。

「そうだね…お互いに受験頑張らなくっちゃだね。」

(うん。僕は華と同じところに行けるように遅れた分頑張らなくっちゃ。)

真啓のことだ、あたしなんかよりよっぽど時間を上手く使って勉強しているに違いない。

(華?)

真啓の声は、いつも優しい。

「ん?」

声を聞くだけでほっとする。

(何かあったら相談に乗るよ。あんまりひとりで思い悩まないでね。)

「うん。ありがとう。大丈夫だから。」

(じゃぁ。またね。)

あたしは電話を切った。
窓からは、強い夏の光が差し込んで眩しいくらいだったけれど、空の残り香があるこの部屋だけは、何も変わらないような気がした。


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