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第5章 涙雨

――― 中間テスト。

2日に分けて行われたテスト。

「どうだった?」

あたしは現国のテストの後、リツに聞いた。

「うーん。思ってたよりも駄目だった。赤点免れぐらいかなぁ。そっちは?」

折角皆で勉強したのに…駄目だったとリツは少し落ち込んでいた。

「1-2問怪しいのがあったけど…どうかなぁ。」

あたしは、教科書を出して答えを確認していた。

「テスト帰って来るの嫌になっちゃった…見たくない。」

リツは大きなため息をついた。

「大丈夫だよ!4人であれだけ勉強したんだから。きっといい点取れるよ!」

あたしとリツは兎も角、真啓も夏も、成績は学年で5番以下に落ちたことが無い。

「一緒に勉強したヤツがアホだったりして。」

リツに聞こえないように小さな声であたしにいったけど、思いっきり無視してやった。なんでこう憎たらしいことばっかり言えるんだろう?

「約束忘れないでよね。あたしが総合点で勝ったら話しかけないでね。」

空は、あたしをチラリとみて鼻で笑った。今回のテストは、睡眠を削って、好きなテレビも見ないで、必死に頑張った。成績が上がっていない筈が無い…多分。

「じゃぁ…あたし寄るところあるから、先に帰ってて。」

いつも一緒に帰るリツだったが、お買い物を頼まれたらしい。

「うん…また明日ねぇ。」

あたしはテストで使い過ぎた重い頭でふらふらしながら、バスに乗った。

…あ…空だ。

あたしは知らんぷりしていたけど、空が意地悪そうな顔をして寄って来た。

「おい華ったれ顔色悪いな…さては俺に負けた自覚があるな?」

…もう来なくて良いわよ。

あたしはため息をついた。

「違うわよ。ちょっと疲れただけ。」

ここ数週間寝不足で、頭がボーっとしていた。あたしは、降りる停留所でボタンを押した。

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