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第35章 卒業

卒業証書の授与も終わり、家族で記念撮影をした。パパとダディ、ママそして夏とあたし。

「つい最近まで、赤ちゃんだと思ってたのに…。」

ママが泣いていた。

「そうだねぇ。僕たちも歳をとるわけだ。」

ダディが笑った。黄色い歓声とともに空がやって来た。

「卒業おめでとう。」

パパが空に声を掛けた。

「ありがとうございます。」

空はにこにこと笑っていた。

「そうだ…高校も卒業したことですし、そろそろ節度が無いお付き合いをしても良いってことですよね?」

…ばっ…馬鹿ッ。空ったら何言っちゃってるの?

パパがすぐに眉を顰めた。当たり前だ。パパはこういうことに関しては、本当に頭が堅い。

「空さん…それは一体…。」

パパと空の間にママが割って入った。

「どーぞ♪どーぞ♪お好きにどうぞ。だけど、わたしはまだおばあちゃんにはなりたくないから、そこだけはお願いね。」

「トッ…トーコさんっ!」

夏が、あーまた始まったよという顔をして他の友人達のところへと行ってしまった。

「あら…良いじゃないの。約束通り、健全なお付き合いしてたんだから。」

「あなたはいつもそうやって…。」

ダディがあたしにウィンクをして、空と先に帰る様にと促した。

「ここは僕に任せて。空さんも華ちゃんも心配しないで。」

空はお辞儀をすると、あたしの手を引っ張った。そして真啓、空、夏、リツ、あたしで写真を撮った。高校最後の思い出。

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