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第35章 卒業

空は真っ赤な顔をしていて、慌ててあたしから顔を背けた。

「そ…それは…こっちのセリフだよ…。空の周りには可愛い女の子がいっぱいでしょう?ブルネットのヘーゼル・アイのイギリス人のお姉さんとか…。」

「お前の方が心配だよ。知らん人についてっちゃう前科持ちだからな。」

…ぜ…前科持ちって。

「あ…あの時は…。」

偽スタッフにほぼ強引に連れて行かれてたんだから仕方が無い。

「俺が助けに行かなかったら、大変なことになってたんだぞ。俺の留守中の世話は、真啓に頼んどくからな。」

「何か…嫌だな…その言い方。まるであたしが犬や猫みたいな良い方じゃない。」

「猫や犬の方が、お前より賢い。」

空が意地悪く笑った。いっつも性格は、ユウヤVerで居て欲しいと本当に思う。

「さぁ。早く行かないと式始まっちゃうぞ。」

空が先に、あたしは後から慌てて貯水槽から降りた。

「あーあ。最後まで、スカートの下はジャージかよ。」

先に降りた空が文句を言った。

「なんで、パンツ見せなきゃいけないのよっ。」

…一体何度目だ?このやりとり。

「そんなに見たいなら卒業記念に見せてあげる。」

あたしがスカートを捲って、ジャージに手を掛けると、今度は空が慌てた。

「馬鹿ッ!冗談に決まってるだろ。誰に見られてるかも分かんねーのにっ!!」

空は、あたしが掴んだスカートの裾をパッと手で払った。

「冗談にきまってるでしょうーっ。空こそバッカじゃない。」

あたしは先にどんどん歩いて行った。

「お前…華の癖に生意気だ!!やっぱパンツ見せて貰うっ!!」

空があたしのスカートの裾を引っ張った。

…制服を着るのも今日で最後か。

「そ~らっ♪」

空が振り返った瞬間。

――― カシャッ。

あたしは空とのツーショットをスマホで撮った。

「みんなが居ると落ち着いて取れそうに無いから。」

あたしは空に笑った。

「じゃぁ俺も♪」

空はあたしにキスをしながらシャッターを押した。

「あっ…その写真後で頂戴♪」

「いや~だねっ。」

空は今撮ったばかりの写真を眺めながらあたしに言った。
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