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第8章 コンサート・デート

―――週明けの月曜日。

「おい。真啓のお母さんのコンサートどうだった?」
空があたしに聞いた。

「うん…もうね…凄かった。」

…寝ちゃったんだけどね。

「何が凄かったんだよ。ボキャ貧め。」

あたしは真啓のママと撮った写真を見せた。

「凄いでしょう?絶世の美女だった。」

空はあたしからスマホを奪い取ると、まじまじと写真を見た。

「うわっ。ホントだ。」

…空が言うぐらいだから、やっぱりそうだよね。

「でもこの写真のお陰て、家庭内不和なの。」

あたしはため息をついて、空に事情を話した。

「わはははは…すげー判るわ…ふたりの気持ち。今度真啓に連れてって紹介して貰おうっと♪」

「えーっ。真啓のママだよ?」

「美女に年齢は関係ねーだろ?ところで真啓とのデートはどうだった?」

空がまた意味深な笑みを浮かべてあたしに聞いた。

「えっ。デートなんかじゃ無いよ。」

あたしは慌てて否定した。

「だってふたりで出かけるなんて思いっきりデートじゃん。」

「うーん。違う気がするんだけど…真啓くんに聞いてみよう。」

リツと空が同時に呆れた。

「華、それ本気で言ってんの?」「お前…筋金入りの天然だな。」

…な…なによ。ふたり一緒に。

「だって…デートって付き合ってるふたりがするものでしょう?」

リツと空が顔を見合わせて笑った。

「なんで笑うのよっ!真啓くんとは、良いお友達だもん。」

リツはしっかりとあたしの方に向き直った。

「ねぇ次の約束とかしたの?」

「あーっと。真啓くんに御馳走になって悪いと思ったんだけど、今度会う時に華ちゃんが出してくれる?って言われたの。」

あたしは机から教科書を出した。

「あーあ。駄目だ。とりま、俺は真啓に激しく同情。」

空は、手を頭の後ろに回し大きく背伸びをした。

「それな。時間かかるね…これは。」

リツが呆れたように首を振った。

…ふーむ。あたし何かおかしいこと言ったかな?

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