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第8章 コンサート・デート

…そっか。真啓の家も結構複雑なのかも知れない。

「へぇ~随分、パパは詳しいんだね。」

夏が意味深にパパに言うと、お話をしたことがあったものですからねと眉を顰め、少々不機嫌になった。

「今度、夏と一緒にお家へ遊びにいらっしゃいと言われたの。その時には、お迎えに来てほしいんだけど。」

写真をもう一度眺めてから携帯をしまった。

「では僕が送りましょう。」「その時は僕が行くよ。」

パパとダディが同時に言った。

「あーあ。僕しーらないっ!」

夏は、そそくさと自室へと逃げてた。

…あ…えっ…どうしよう。

夏が逃げる時には取り合えず、あたしも逃げた方が良いことは経験から良く判っている。

「あたしも…今日はゆっくり勉強しよ…う。ごちそうさま。」

あたしは、慌てて夏の部屋へと逃げ込んだ。

「ちょっと!一人だけ逃げるのずるい。」

あたしが入って来たのを見て夏が笑った。

「華は、馬鹿だな。あんなこと言っちゃ駄目だろ?Momはああ見えて、かなり嫉妬深いんだから。」

面白いことになりそうだねと夏は笑ったが、あたしが余計なことをしたばっかりに、3人とも、特にママとパパは数日の間、険悪なムードだった。

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