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第9章 バレンタイン

真啓はいつものようにピアノを弾いていた。あたしはピアノから一番近くの椅子に座って静かに聞いている。曲が終わると、あ華ちゃんと言ってあたしに笑う。

「真啓くん。ちょっと聞いてほしいものがあるの。」

あたしは真啓にプロトの新曲を聞かせた。

「あっ…これって…。」

どうやら真啓も気が付いたらしい。

「そうなの。空の曲にそっくりじゃない?」

暫く聞いてから口を開いた。

「うん…そう…かな?似ていると言えば似てるかなぁ。」

あたしは、ピアノも弾けないし、曲名や作曲家の名前を聞いてもすぐにわすれちゃうけど、メロディは何故か割と覚えてられる。

「サビの部分なんて、まんまじゃない?」

「うーん…そうだったっけ?」

真啓は、曲を聞いてメロディ・ラインを耳でコピーしながらさらさらっと弾いた。

「僕が弾いたのはこんな感じだったから、ちょっと違うかも…?似てるだけじゃない?」

耳コピ出来るなんて流石は真啓だ。

「空に聞いてもどーでも良いって言うんだけど、不思議よねぇ。」

暫く黙り考え事をしていると、真啓が突然あたしに聞いた。

「そうだ。もうすぐ期末テストだから、夏と一緒にうちに勉強しに来る?」

「うん♪行きたい。」

「じゃぁまたメールするね。」

「判った。」

あたしは真啓の邪魔をしないように静かに曲を聞いていた。

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