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第9章 バレンタイン

「ちょっと空!何で真啓くんを呼びつけてるのよ。」

あたしが教室へ戻ると、リツも空も一部始終を見ていたらしい。
リツが空のスマホを覗き込んで笑った。

「大好きな華が待ってるぞっ…だって。」

あたしは大きなため息をついた。

「そんなことしなくてもちゃんと自分で渡せたわよ。」

「のろまな華のことだから、バレンタインが終わっちゃうと思って。」

空は、にやにやと笑った。

「…で?華さんは、次のデートのお約束はしたんでしょうか?」

リツが思わせぶりにあたしに聞いた。

「まっ…またそんなこと言って!デートじゃないわよ。夏も一緒にテスト勉強しに行くの。」

「ふーーーーん。」

リツも空も口を揃えて言った。

「でも…真啓くんチョコレート女の子から一杯貰ってたんだよねぇ。あたしがあげなくても良かったかも…。」

窓から見える葉が全て落ちてしまったハクモクレンの木を眺めてため息をついた。空がリツと目を合わせ、ああこいつは全くわかっちゃいないと言う顔をして首を振った。

「あーあ。冬は嫌。早く春にならないかなぁ。」

今年はいつもより雪が多く振ると天気予報が言ってた。
「華さんの春は、まだまだ先ですね。」

リツがボソッと言うと、机でうつ伏せになったまま空が笑った。

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