POISON TEACHER
第5章 過去にこだわることより今から変わろうって思わねぇか
『勝の父の秀男ともうします。
こちらは…、』
『母の康子と申します。』
勝は両親が来てから、両親に目を背けてばかりの様子だった。
『うちの出来の悪い息子が迷惑をかけてホントに申し訳ございません。』
父の秀男は
社交辞令のような挨拶で謝った。
『俺は何もしてねぇ!!』
勝は父に対して反抗的な態度をとった。
バシッ!
『……!』
『私に対して何だその態度は!』
『あなたやり過ぎよ!!』
母の康子は勝を庇おうとした。
だが、父の秀男は高圧的な態度で
『お前が甘やかすから国立落ちて
ここの学校に行かざるを得なくなったんだ!
お前に息子を預けたのが間違いだった!』
『何よ
あなたが、良男ばかり甘えてばかりいるから!!』
『良男は、頭もよくて、私の勤めてる国立高校に受かったんだ!
これじゃ、大学受験に差し支えるじゃないか!』
父の秀男は
国立出身のベテラン教師で
出来のいい勝の兄・良男ばかり可愛がってばかりいた。
母の康子は
私立出身の人
出版編集者を勤めている。
高収入な秀男と
結婚したが
教育方針の違いや
秀男の上から目線の見下しに耐えきれず、別居状態になった。
その時
勝を、引き取り、一人で育ててきた。