楔 ---KUSABI---
第2章 弐・違う世界
今まで物音一つ無かったけれど、ぼそぼそと何か聞こえてきた。
人の話し声のようなものが辛うじて。
出来過ぎた庭に、音のない部屋、という奇妙な空間以外の音に少しホッとする。本来ならば、生活していればある程度の音や声はあるのが普通なのだから。
聞こえる声は襖を隔てた隣から、のよう。
ここは自分の家ではないし、現在の状況が全く把握出来ない状況なので、警戒心を解くことなく、恐る恐る近づいて、襖に手をかけ・・・ようとした時。
・・・漏れ聞こえる声は、話し声ではないことに気が付く。
甘ったるい女性の吐息と、漏れる・・・。
かぁぁぁぁぁぁぁぁっと体が熱を帯びる。
実際に体験してはいないが、知識としては知っているコト。
少し前に幼馴染の蒼が、私に、しようと、した、コト。
漏れ聞こえる声だけからの推測だけれど、十中八九間違っていないように思う。
見てはいけない。見るべきものではない。
それは解り切ったこと。
と、いう思いとは裏腹に、襖に手をかけ、慎重に動かし、薄く空いた隙間から・・・隣の部屋を、覗いた、ら、
ますます身体がかぁぁっと暑くなった、気がした。
人の話し声のようなものが辛うじて。
出来過ぎた庭に、音のない部屋、という奇妙な空間以外の音に少しホッとする。本来ならば、生活していればある程度の音や声はあるのが普通なのだから。
聞こえる声は襖を隔てた隣から、のよう。
ここは自分の家ではないし、現在の状況が全く把握出来ない状況なので、警戒心を解くことなく、恐る恐る近づいて、襖に手をかけ・・・ようとした時。
・・・漏れ聞こえる声は、話し声ではないことに気が付く。
甘ったるい女性の吐息と、漏れる・・・。
かぁぁぁぁぁぁぁぁっと体が熱を帯びる。
実際に体験してはいないが、知識としては知っているコト。
少し前に幼馴染の蒼が、私に、しようと、した、コト。
漏れ聞こえる声だけからの推測だけれど、十中八九間違っていないように思う。
見てはいけない。見るべきものではない。
それは解り切ったこと。
と、いう思いとは裏腹に、襖に手をかけ、慎重に動かし、薄く空いた隙間から・・・隣の部屋を、覗いた、ら、
ますます身体がかぁぁっと暑くなった、気がした。