楔 ---KUSABI---
第1章 壱・白羽の矢
生暖かいものが唇を塞ぐ。
それが幼馴染の唇だ、と気付くのに、数秒かかった。
何とか目の前の幼馴染を引きはがす。
「待って」
「待てるか」
「・・ンッ、止め、ンンッ」
執拗に唇を狙う幼馴染。
今感じる感情は、嬉しさも悲しさもなく、ただただ困惑。
そして、距離を取りたい、と押すと、
何とか唇と唇の離が出来た。
まだ、抱き締められたままだったけど。
「駄目。私の体は私の体ではないの」
「何言ってんだ?」
「私の体はもう、神のもの」
「違う!!」
必死な幼馴染。
私が紡ぐ言葉は、やはりどこか他人事。
というか・・・。
誰かが私の口を使って、言葉を、紡いでいる・・・?
乗っ取られたように。
でも、それでも、いいと何故か納得できる私もいて。
「離して、もう気が済んだでしょう?」
抱き締められている腕を引きはがす
・・・動きは簡単に止められる。
性別が違うのだから、仕方がないことではあるけれど。
「何言ってんだ、花音。お前おかしい」
「私は正常よ」
それが幼馴染の唇だ、と気付くのに、数秒かかった。
何とか目の前の幼馴染を引きはがす。
「待って」
「待てるか」
「・・ンッ、止め、ンンッ」
執拗に唇を狙う幼馴染。
今感じる感情は、嬉しさも悲しさもなく、ただただ困惑。
そして、距離を取りたい、と押すと、
何とか唇と唇の離が出来た。
まだ、抱き締められたままだったけど。
「駄目。私の体は私の体ではないの」
「何言ってんだ?」
「私の体はもう、神のもの」
「違う!!」
必死な幼馴染。
私が紡ぐ言葉は、やはりどこか他人事。
というか・・・。
誰かが私の口を使って、言葉を、紡いでいる・・・?
乗っ取られたように。
でも、それでも、いいと何故か納得できる私もいて。
「離して、もう気が済んだでしょう?」
抱き締められている腕を引きはがす
・・・動きは簡単に止められる。
性別が違うのだから、仕方がないことではあるけれど。
「何言ってんだ、花音。お前おかしい」
「私は正常よ」