テキストサイズ

ヒミツの関係 SA

第4章 4 翔

4-4

必要なものを買い揃え、手順を何度も復習した。

大丈夫、きっと上手くできる
女の子を抱くのと大差ないさ・・・・・・


23時を回った頃、予定より少し遅れて雅紀がやって来た。

「遅くなってごめんね、1回帰って風呂入ってきたから」
「いいよ、でも風呂ぐらいウチで入ればいいのに」
「ありがと・・・でも俺も色々準備してきたから・・・」

自分のカラダのことかな・・・
雅紀も真剣に考えてるんだな
そんなに好きな男と上手くヤれるようになりたいのか・・・

なんて嫉妬しかけて、当たり前か、と心の中でため息をつく。


「腹減ってない?」
「大丈夫」
「じゃあ軽く飲む?その方が緊張解れると思うから」
「・・・ん・・・1杯だけ・・・いただきます・・・」

口当たりのいいウイスキーを濃いめの水割りにして渡す。
両手でグラスを持ってコクコクと飲む雅紀。

はー、緊張する・・・酔って失敗したくはないから俺のは薄くして置いたけど
雅紀はちょっとほろ酔いぐらいになった方がいいだろう


「ご馳走様・・・もう大丈夫・・・」
「・・・じゃあ、いい、かな・・・」
「うん・・・」


受け取ったグラスをテーブルに置き、手を差し出すと硬い表情で握って来た
そのまま指を絡めて寝室へ連れて行き、ベッド脇で最後通牒を突きつける


「今ならまだ間に合う、何もなかったことに出来る。・・・だけど始まってしまったら、もう俺は止められないかも・・・」
「止めないでいいから・・・あの、もしも俺が“いや”とか“やめて”って言ってもやめないで・・・それはきっと言葉のアヤっていうか・・・本心じゃないから・・・ね・・・」


心の奥底ではまだ葛藤があるんだな・・・

ヤり出したら止まらない、とは言ったものの ホントに雅紀が嫌がったら俺はどの時点でも止めてしまうだろう・・・
嫌だと言っても止めないで、だなんて・・・難しいこと言うなよ


・・・お前の中で俺はそんな野獣みたいな男なのかな・・・


ストーリーメニュー

TOPTOPへ