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ヒミツの関係 SA

第5章 5 雅紀

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一瞬、深夜の病室だということも忘れて二人共声が大きくなってしまった
でも、静かに息を吐いて再び翔ちゃんが口を開いた。


「お前が倒れたって聞いた時、俺は心臓が苦しくなった・・・
俺のせいだ、って自分を殴りたくなったよ。
お前に無理させてることは前からわかってたのに・・・」
「違うよ、翔ちゃんのせいじゃない。
翔ちゃんに言われてやってるんじゃなくて
俺が勝手にやってることだから・・・
翔ちゃんにも何回もそう言ったよね」

「その言葉に甘えてきた俺が悪いんだ・・・
今日も何となく無理してるかなぁ・・・とは思ってたのにここまでとは気づかなくて・・・ホント馬鹿だよな、俺・・・」
「やめてよ・・・だって・・・だって・・・恋人じゃないもん・・・ただのセフレだもん・・・そこまで気を使ってもらおうなんて思ってないよ・・・
翔ちゃんの負担になんかなりたくない・・・
俺はただ楽しく付き合えればいいんだから・・・」

「雅紀・・・」
「俺、もっと体調管理ちゃんとするから・・・
これ以上迷惑かけないようにする・・・
もちろんこれからも 翔ちゃんの仕事の邪魔も絶対しない。
翔ちゃんの都合のいい日だけに会ってくれればいいし、翔ちゃんが他の事したい時は会わなくてもいい・・・だから・・・俺のこと捨てないで、・・・やめるなんて言わないでよ・・・・・・」

「なぁ・・・お前、自分が何言ってるかわかってるか?
お互いに都合よく楽しむなら 2人の立場は公平じゃないとだめだろう、
お前ばっかりに負担がかかってるからやめようって言ってるのに 今のお前の発言は もっと自分に負担をかけてくれ、って言ってるようなもんなんだぞ」
「負担なんかじゃないってば」

「現にこうして倒れたじゃないか」
「だからそれは・・・」





「もうやめよう、雅紀。捨てるとか捨てないとか・・・これじゃまるで恋人同士の会話だ」


絶対に翔ちゃんを説得しなくちゃ、と思ってたのに、
低い声で言い切られた俺は それ以上言葉を続けられなくなってしまった




こんなはずじゃなかったのに
俺は、どうすればいいんだろう・・・?


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