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ヒミツの関係 SA

第6章 6 翔

翔 6-1

目の前で 雅紀が泣きそうな顔して、
自分のことを捨てないで、と懇願してる

俺は 本来 言い争いや重いやり取りが苦手だ、

だから決まった相手と付き合うことは避けてきた


こっちは死ぬほど忙しく、睡眠もろくに取れないで飛び回ってるってのに

「仕事と私とどっちが大事なの?」

なんて馬鹿なことを聞くステレオタイプの女の子には
うんざりだった


でも、今 雅紀が言ってるのはそれとは正反対のことだ
雅紀の都合は気にせず、俺の都合だけで
好きな時に雅紀を抱けばいい、と・・・

バカ・・・ホントにコイツはバカだ



今までだって、俺がスケジュールを合わせて
二人共の仕事に影響ない日を選ぼうとしても

「そんなこと考えてたら 月に1回も会えなくなっちゃう、ヤリたい時にヤレないセフレなんて意味ないじゃん」

と笑い

この日の仕事は楽だから大丈夫、ここは移動車の中で寝るから大丈夫、と常に俺のスケジュールだけを優先してくれて・・・悪いと思いながらも それに甘え続けた結果がこれだ。

それなのに、まだ
「もっと気をつけて体調管理するから」だって?


こいつの心の中に、俺の身勝手からこうなった、
という想いは全く存在しないんだろうか?

なんでこいつはこんなにお人好しなんだ?


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