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ヒミツの関係 SA

第8章 8 翔

8-4

ふざけんなよ・・・
そう思いつつも 俺はカーテンの陰から出ることが出来なかった



雅紀の顔が見たい
雅紀の声が聞きたい
そして、たとえそれが俺自身じゃなくて他の奴のおかげでも、雅紀の幸せそうな笑顔を見たい

そうだ、あいつが 今度こそ幸せになるところを見届けよう。
そして 俺は今夜ハッキリと失恋をして 自分の想いに区切りをつけよう

そうしないと、俺はいつまでも 中途半端な期待をしたりさせたりしてしまいそうだ・・・




雅紀が部屋に入ってきた

こっちに背を向けて座ったから カーテンの隙間から覗いても 気づかれる心配はない

数日見ないだけで、また痩せたように見えるのは気のせいか?

あぁ・・・でもこの、雅紀の甘い声・・・聴いてるだけで心地いい優しい声・・・

俺は泣きそうになりながら二人を見つめていたが・・・


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