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ヒミツの関係 SA

第2章 2 翔


2-6

一週間後

まともに雅紀の顔が見れない。

なんとか不自然にならないようにカメラの前では取り繕い続けた結果、収録が終わった時には心身共にどっと疲れてしまった。


「櫻井さん、今日もいつものとこ・・・この前の子でいいですか?」

珍しくソファーにどっかり座って動かない俺に
マネージャーが近寄ってきて小声で問うけど

そっか・・・そのことすっかり忘れてた

「あぁ・・・いや、今日はやめとく、帰って寝るわ・・・」


「・・・何か問題でもありましたか?」
「え、いや・・・ちょっと風邪気味なんだ、だから・・・」
「あぁ、はい、わかりました・・・じゃあ、まっすぐ自宅でいいですね?」

神経質に質問した後 俺の返事を聞いてようやく納得した顔のマネージャー

・・・ちょっと反省した。



思えば、思い切り次の日が朝早いとか、身体が不調の時以外は 毎週通いつめてたんだなぁ・・・もうちょっと自粛すべきか?


でも行くのをやめたらやめたで、誰かと密会してるんじゃないかと疑われるに決まってる。
女優やモデルの子と熱愛、なんて書かれるのも困るし ファンの子に手を出すなんて最低だから・・・やっぱり俺みたいなのはプロのところへ行くしかないように思う


事務所も公認のその行為は わずらわしいことがない反面 やっぱりちょっと虚しい感じもする。

結婚して幸せそうにしてる友達とか見ると特に・・・
俺もささやかな幸せが欲しいなぁ、なんて考えたりもするんだ。


ささやかな幸せ・・・それはそんなに難しいことなのかな

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