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修練の鏡と精霊の大地

第20章 ラスボス

 プーロンはやっと回復した視力を、楽しんでいるようだった。


「これが、これが、人間の世界か。これが、我が闇一族のものになるのか……おい、我が親衛、闇の神仏ども!! どこにいるっ!!」


 プーロンはあたりを見回すと、ビルの屋上で床に埋もれている、闇の神仏達を見つけた。


「おおおおおぉぉーーっ!! 万手観音に呪神こっくりぃぃ……七不福神まで……いったい、誰がこんなことを!!」


 お前だっ!! と、みんな言いたかった。だが、言えないほどの恐怖と威圧感があった。


 プーロンのその目は、球也達に向けられた。


「きさまらか……きさまらかぁっ!!」


 確かに、自分達が倒したものだが、最終的にとどめを刺したのはプーロンである。


 だが、それを伝えるに伝えられない。


「いや、それやったん、あんたやがな!!」 


 球也が伝えた。


 全員、顔面蒼白、口あんぐり。


 球也はバットを片手に、プーロンの前に立った。


「見てみぃな、あんだけごっつう陥没して、あれだけの人数が埋まってんやで。そんなんできるの、おたくしかいまへんやん」


「な、なにぃーーっ!」


 プーロンの目尻がピクピクとしはじめた。


「いいか、帝王さん。あんたが、どんだけ強うて偉いんかしらんけど、あんたの手下がやったこと、責任持ってもらうで」


 球也はバットの先を、プーロンに突き出して、かなり強気で言った。


「ちょっと、キュウ、やめなよ。挑発したら大変だよ」と莉子が、止めに入る。


 球也は仲間の顔を、一人一人見ながら言った。


「みんな、ここになにしに来たん? やつを倒すためやろ。みんな闘える人ばかりやから、闇の神仏と闘えた。莉子さん、純化さんはそれをサポートしてきたし、闇の純化を二人で押さえてた。でも、僕はなにもできてないねん。なにも止めてないねん。だから……だから、やつは僕が止める!!」



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