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修練の鏡と精霊の大地

第20章 ラスボス

「だから、小さい僕がこうやって頭下げてお願いしてるやんか。あんた体大きいくせに、器は小さいなぁ……それでもあんた男かっ!?」


「自分の性別など考えたことないわっ!! それに、お前は頭など下げてないではないかっ!! ふんぞり返って上を見とるではないか!!」


「あんたの顔が上にあるさかい、しゃあないやないかっ!!」


「ええい、うるさいわっ!! わては闇の帝王プーロンである。仲間の神仏達をあんな目にあわせた償いは受けてもらうぞぉーっ!!」


「それは、ちゃうやろぉーっ!!」


 球也のツッコミもむなしく、プーロンは自身の体から黒い霧を発生させた。


「この霧で、地球全体を被いつくしてやる!! これに埋めつくされれば、お前達、人間も全身が黒く変色し、カラカラに乾燥されるであろう」


「えっ!? そんなん、ほったらかしになって死んでもうたカブトムシの幼虫やないんやから……」


 球也はガクッと肩を落とす。


 そんな球也に純化が、ソッと肩に手を置いた。


「きゅう坊、大丈夫。神は絶対、見捨ててないよ。最後まであきらめないで」


 だが、球也は、笑っていた。


「そう……そのチャンスを信じてんねん」


「えっ?」


 ソーヤが顔を出した。


<純化さん、うちは球也の賭けにのったんや。この最後の戦いは、闇のプーロンと光るほどの自信を持った球也との一騎討ちや!!>


 ソーヤは小さな拳に力を込めた。


「ねえ、きゅう坊、ソーヤ、どういうこと?」


 純化は訳がわからず、困惑していた。


<さっき、コソッと相談してたんや。闇の純化が帝王に吸収され、ペタロはんが殺された。我々の負のエネルギーが帝王に吸収され続けている、この2つのチャンスがものにできたら、球也の出番なんや>



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