テキストサイズ

修練の鏡と精霊の大地

第20章 ラスボス

 球也の顔は、勝利を確信した表情をしていた。


「きゅうやぁーっ!!」


 闇の神仏らと闘っているコウヤが呼び掛ける。


「この連中は俺達が食い止める。そいつはお前が考える攻略法に任せるぜっ!! 秘策……持ってんだろ!?」


 プーロンから注入された気によるものだろうか、闇の神仏達は強くなっていた。


 傷付きながらも、懸命に闘う、コウヤ、莉子、勇樹、そして再び戦闘に加わった輝の姿に、感銘を受ける。


 球也は黙って頷き、Vサインを見せた。


 秘策は……あると……。


 天から注ぐ光の柱が、プーロンに直接降りかかる。


「正直、神さんたちの力は予想ではなく、望みやったんや。まさか、こんなに効果があるなんて思わんかったわ」と球也は安堵の表情だ。


<いや、うちはきっと助っ人に来てくれると思った。逆に闇の純化が攻撃をおさえるかどうかが心配やった。まあ、結果は惨めやったけど、両方叶ったようなもんや>


 プーロンの動きを止めるのは本当の賭けだった。


 闇の純化がペタロの仇を討ちたいと力を出すのなら、潜在能力である闇の力をプーロンに対して、使うに違いないと思った。それにより、プーロンの動きが弱まると、読んでいた。


 もうひとつが光の者の存在。プラスイメージのパワーを感じ取れるなら、必ず援護してくれるはず。


 これも、感じとるか否かの大きな賭けだった。


 奇跡にも、2つの予想が当たったかたちとなったが、もし、両方叶わなければ……。


<うちが、止めるつもりやった>


 ソーヤは全身の力をこめた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ