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修練の鏡と精霊の大地

第20章 ラスボス

 オウバー・サンはヌカーの肩に手を置いた。


 球也達は、ただ険しい表情で二人を見ている。


 球也は思った。


『自分はいま、なにを聞かされているのだろう』と……。


 オウバー・サンは球也の方に顔を向けた。


「少年、たいくつだろうが、もう少し我慢してておくれ」


 心を読まれた。


「ヌカーよ、妖精の大地として、姿を変えているのは、お主だけと思うでない」


 ヌカーは頭を上げた。


「な、なんだと……」


「私は私の世界の大地として、そして身は妖精として生きている。言わば光の一族として」


「なにぃっ!!」


 ヌカーは驚いた。


 もちろん、球也達も驚いた。


 オウバー・サンは、床に寝かされているソーヤの体をさすった。


「言ったでしょう。我々は表裏一体だと。私はあなたの姿を変えた。それと同時に私の体も同じようになるのです。そして、あなたが、プーロンとして姿を変えた。私も先ほどまでパーロンとなってました」


 球也は思った。


『なんの話だっ!?』と。


「教えましょう、ウロコをまとった狼の化身がプーロンといい、闇の帝王であるヌカーがふざけた時に変わる姿なのです」


 球也は思った。


『あれでふざけとったんかいっ!?』と。


「まあ、妖怪人間なんとかってアニメで、別の姿に変わるのと同じようなものです。私はパーロンという、巨大な銀色の鶴になるんです」


 球也は思った。


『なんで、そんなアニメをあんたが、知ってるんだ』と。



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