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修練の鏡と精霊の大地

第20章 ラスボス

 光の者、オウバー・サンと闇の者、ヌカー・ヨロービは強い光と共に、空高く舞い上がり、星空の中へ、消えていった。


 神の精霊の石がはまった鏡を残して。


「気が付けば、しっかりと星が見える夜空に戻ってたんだ」


 莉子は空を見上げ、少し目を潤ませた。




 その時……。




 球也がなにかに気が付き、プーロンの攻撃により、陥没した床を指差した。


「あそこに誰かおるよ」


 そこは少し前に、闇の神仏がいたところだ。


 よく見ると、幼い子供のような姿が見える。


「えっ! まさか、幽霊?」


 勇樹はややたじろいだ。


 見た感じ、5、6歳くらいの女の子に見えた。


「あぁっ!!」


 球也は声を上げ、その女の子に近寄っていった。


「おいっ!! 球也、大丈夫か?」と勇樹が声をかける。


 球也は女の子の目の高さに合わせて、しゃがんでなにか話している。


 すると、立ち上がってこちらを向いた。


「ごめーん、誰か、僕のカバン持ってきて!!」 


 その声を聞いて、莉子が球也のボストンバックを持っていった。


「どうしたのキュウ?」


 目の前には、しゃがんで寒そうにしている女の子がいる。どうやら裸のようだ。


「僕のカバンの中にシャツとパンツが入ってるから、着せてあげようと思って。まさか、立ち上がって、安心して下さい、穿いてますはないと思うから……」


 球也は白いTシャツとブリーフパンツを出すと、莉子に着せてあげるようにお願いした。



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