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修練の鏡と精霊の大地

第3章 冒険の旅へ

「食われるって、ここは飲食出来る……」


「大喜利やってんじゃないよ!! わぁっ、来た!!」



 ノッソノッソと、トカゲが店内の奥まで入り込む。


 すでに、目と鼻の先まで迫ってきていた。


 ギラギラとした茶色と青の鱗を光らせ、紫色の舌がなんども口を出入りする。


「うわぁぁ……もう、ダメだ」男は腰を抜かして座り込む。


「きゅう坊……どうしよう……怖いよ」


 恐怖のあまり、振り向けない純化。


 店にはテーブルを盾にして隠れる客や、店の奥まで逃げた客もいる。


 球也は椅子から立ち、背中の剣を引き抜いた。


「やるしかないんですよね、やるしかないんですよね」


 だが、近付くにつれ、実際の大きさがわかってきた。


 頭のサイズだけで、標準の軽自動車なみはある。


 それだけで戦意喪失だった。


「やだやだやだ……死にたくないよ」


 純化はそこから動けなくなっていた。


「結界の外には、こんなのがいたのか……」


 球也は自分が置かれている状況を、改めて見直した。


「そうだ、純化さん……いまこそ精霊ですよ!! 精霊に助けを求めましょう!!」



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